行方かんしょ、GI登録 茨城県内5例目 ブランド力向上 農水省

茨城新聞
2023年4月2日

行方かんしょブランド推進協議会(会長・鈴木周也茨城県行方市長)のサツマイモ「行方かんしょ(べにはるか・べにまさり・ベニアズマ)」が、地域の農林水産物や食品を保護する農林水産省の「地理的表示(GI)保護制度」に新たに登録された。同省で、鈴木会長が藤木真也政務官から登録証を手渡された。県内の登録は江戸崎かぼちゃや奥久慈しゃもなどに次いで5例目で、かんしょの登録は東日本では初めて。

登録された産地は行方のほか、潮来や鹿嶋など霞ケ浦・北浦周辺の6市。関係者は「日本一という誇りを持って栽培している行方かんしょ。今後も魅力を広く発信していければ」とブランド力向上や販路開拓に期待を込める。「ブランドの確立はずっと続けてきた取り組み。行方の名前が国内外に知れ渡ることを期待したい」と鈴木会長。JAなめがたしおさいの安藤昌義代表理事組合長は「農家の皆さんの努力が報われ、大変光栄」と喜んだ。

行方かんしょは、県内の他産地と比べ、甘みに変化するでんぷんの含有量が多いことが特長。また、食味の良さに加え、最もおいしくなる時期が違った品種を栽培し、通年で市場に供給できる「品種リレー出荷体制」を構築している。2017年度には、JAなめがた(現JAなめがたしおさい)甘藷(かんしょ)部会連絡会が農林水産祭の多角化経営部門で天皇杯を受賞した。

JAなめがたしおさいによると、販売規模は増加傾向にあり、22年度の同JA内の販売数量は約2万トンに上る。京浜市場や関西市場に出荷するほか、マレーシアやタイ、カナダ、フランスなどに輸出している。

農水省のGI登録は、今回行方かんしょなど5品が加わり、国内126品、海外3品。