特別支援校生徒ら栽培のワイン完成 茨城・常陸太田 4年かけ初醸造、26日発売
茨城県立常陸太田特別支援学校(常陸太田市瑞龍町、蛭田清子校長)の生徒会役員らが7日、同市役所に宮田達夫市長を表敬訪問し、同校児童生徒らが育てたブドウで初めて出来上がったワインを届けた。生徒たちは「4年をかけて出来上がった。ぜひ味わってください」と手渡した。
ブドウ栽培は2019年から、同市瑞龍町のワイン醸造会社「常陸コミュニティデザイン」(山口景司社長)などと協働で取り組むプロジェクト。児童生徒が除草や枝切り、袋がけなどの栽培活動を年間を通して続けている。昨年9月に稼動したワイン醸造所「武龍ワイナリー」(同市瑞龍町)でワインの仕込みも体験した。出来上がったワインは一足早く、同社から高等部の卒業生に記念として贈られている。
生徒会長の助川弘雅さん(18)と副会長の金沢美心さん(18)、蛭田校長、山口社長らが訪問し、同事業の経過などを紹介。生徒2人は「ブドウができるまでの工程が多くて大変だった」「ラベルがきれいにできた」などと話し、同校クラフト班が作った新聞バッグに入れてワインを贈った。
宮田市長は「プロジェクトのスタートから知っているので夢のようにうれしい。ワイン造りの盛んな外国を訪問してみては」と生徒たちに提案した。また「新聞バッグを記念に残したい」と伝え、バッグに2人のサインを書いてもらった。
懇談の後、助川さんは「ワインの仕込みが楽しかった。20歳になったら家族と一緒に飲みたい」と話した。
ワインのラベルはツルが大空に羽ばたいていく様子をイメージし、「あしたのわいん」と名付けられた。約350本を生産し、26日から武龍ワイナリーで1本(750ミリ)3300円で販売する。