「とちぎの星」を自宅でも 外食チェーン県内店舗でキャンペーン 全農とちぎ

下野新聞
2023年3月3日

回転すしやファミリーレストランなど大手外食チェーンの栃木県内店舗で、県産米のオリジナル品種「とちぎの星」の活用が進んでいる。大粒で食べ応えがあり、食味の良さが評価されている上、作付け拡大で安定供給が見込まれることも後押しする。JA全農とちぎは、チェーン店を訪れた家族連れなどにとちぎの星を自宅でも味わっておうと、対象店舗で15日までキャンペーンを実施している。

外食大手ゼンショーホールディングス(HD、東京都港区)は2021年、回転すし「はま寿司」の県内全14店と、ファミレス「ココス」の県内22店中21店の計35店舗で、メニューに使用するコメを全てとちぎの星に切り替えた。地産地消を重視する同社に全農とちぎが提案。食味やメニューとの相性などが高く評価され、採用されたという。丼店「なか卯」や焼肉店「宝島」でも使われている。

とちぎの星は病気に強く、温暖化に対応する品種として開発された。15年に品種登録。19年11月には皇位継承の重要祭祀(さいし)「大嘗祭(だいじょうさい)」で使用された。作付面積も増え、16年産は2340ヘクタールだったが、21年産では8800ヘクタールに拡大した。

全農とちぎによると、とちぎの星は粘りが少なく、すしなどにも向いている。コシヒカリより安価で、安定的に供給できる点も好材料となり、外食産業での採用につながっているとみられる。

外食チェーンがコメの個別銘柄をPRするのは珍しいという。全農とちぎは好機ととらえ、ゼンショーHDとコラボして、2月中旬から家庭消費の拡大を図るキャンペーンに乗り出した。県内のはま寿司、ココスの計35店舗が対象で、来店しクイズに答えると抽選で200人にとちぎの星5キロを贈る。担当者は「ファミリー層にPRできるのは効果的。おいしさを知ってもらい、家庭でも食べてほしい」と期待している。

(問)全農とちぎ028・677・4661(平日のみ)。