絢爛豪華な屏風 間近に 佐野吉澤美術館 江戸期の本と展示
下野新聞
2023年2月16日
【佐野】葛生東1丁目の吉澤記念美術館で、江戸時代に親しまれていた屏風(びょうぶ)や本を展示する収蔵企画展「そっとひらいてみれば-屏風と本で楽しむ絵-」が開かれている。3月5日まで。
「開くと絵が現れる」という共通点がある屏風と本を比べながら、それぞれの魅力を紹介する狙い。初公開15作品を含む計48点を展示している。
六曲一双の屏風に源氏物語の色紙絵を物語順に貼り付けた初公開作品「源氏物語図(げんじものがたりず)色紙貼交屏風(しきしはりまぜびょうぶ)」(作者不詳)をはじめとした豪華絢爛(けんらん)な屏風とともに、葛飾北斎(かつしかほくさい)が挿絵を描いた「新編水滸画伝(しんぺんすいこがでん)」などの本も並ぶ。本には当時の読者による汚れや落書きなどの痕跡も見られ、親しみやすいフレーズを添えた分かりやすい解説で作品とともに紹介している。
同館の末武(すえたけ)さとみ学芸員は「屏風の華やかさと本の知的な面白さに触れながら、江戸時代の人たちが楽しんだ文化を知ってもらえたら」と話している。
午前9時半~午後5時。毎週月曜と2月24日休館。観覧料一般520円、大学生以下無料。(問)同館0283・86・2008。