本場・山形の家庭の味 芋煮定食 香箱(宇都宮)

下野新聞
2023年2月15日

山形県出身の記者は、冬になると無性に郷土料理の芋煮が食べたくなる。芋煮を出す店が宇都宮市内にあると聞き、是が非でもと足を運んだ。

同県長井市出身の上山香(かみやまかおり)さん(41)が切り盛りする「香箱(こうばこ)」。愛情をたっぷり込めて作られた芋煮が、身も心も温めてくれる。

山形の内陸部で主流のしょうゆ味仕立てで、1時間以上かけて煮込んだ里芋や牛肉、ネギ、大根、こんにゃく、シメジは柔らかく、汁の甘じょっぱい味がよく染み込んでいる。上山さんは「私の芋煮は祖母、母から受け継いだ、代々続く家庭の味です」と教えてくれた。

店の1番人気は芋煮とおにぎり、季節野菜の小鉢、デザートをセットにしたボリューム満点の芋煮定食(千円)。おにぎりは山形のブランド米「つや姫」を使用。上山さんが自ら山形に足を運び、知り合いの農家から仕入れている。

店は2021年、山形の料理、地酒のおいしさを発信しようと開いた。上山さんは「芋煮は地元以外の人も温かい気持ちにする力がある。ぜひ多くの人に食べてほしい」と話す。宇都宮で山形の味に出会えて感動した。

■メモ 宇都宮市本町10の18、マロニエ本町館1階。午前11時半~午後2時半、午後6時~10時半(ラストオーダーは30分前)。夜は要予約。日曜、祝日定休。(問)080・6607・7700。