和食の技と食材を堪能 ゆず膳 日本料理 花ゆず(宇都宮)

下野新聞
2022年12月7日

「和食」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されてから今月で9年。日本料理店「花ゆず」のランチメニュー「ゆず膳」(2750円)をいただきながら、その価値に納得した。

季節の野菜料理に刺し身や焼き魚、和牛の肉豆腐など充実の品数。新鮮な旬の食材と美しい盛り付け、そして何より、和食の命であるだしの「うまみ」を堪能できる。箸休めの香の物まで美味で、全然休めない。和食、最高だ。

店主の菅谷繁一(すがやしげかず)さん(54)は宇都宮短大付属高調理科を卒業後、日本料理一筋で腕を磨いてきたプロ。だしの材料も含め食材は県産、国産を中心に「生産者が分かる、信頼できるものだけ」を取り寄せる。

「和食が無形文化遺産に登録されたのは、このままだと廃れてしまうという意味でもあると思う」と危機感を募らせ「伝統の技と食材を後世に伝えていきたい」と厨房(ちゅうぼう)に立つ。

食後のコーヒーまで和食に合うオリジナルブレンドという徹底ぶり。昼は御膳と会席、夜は会席で冬は鍋料理も提供する。店内飲食はすべて個室。前日(テイクアウトは2日前)までに予約を。

■メモ 宇都宮市南一の沢町2の34。午前11時半~午後2時、午後6~10時。完全予約制。日曜夜休み、不定休あり。(問)028・632・3138。