クスノキからビワ!? 町シンボルツリーで発見 「縁起いい」「観光名所に」期待高まる 群馬・千代田町
クスノキからビワが生えたー。
群馬県千代田町の役場庁舎(同町赤岩)の正面玄関前にシンボルツリーとして植えられた高さ約10メートルのクスノキの幹の間から、ビワと見られる枝が伸びているのが見つかった。まだ40センチほどの背丈だが、今後どこまで成長するのか、町関係者は関心を寄せている。
発見したのは、近くに住む会社員の坂本仁さん(62)。17日にマイナンバーカードの申請手続きに役場庁舎を訪れた際、たまたま正面のクスノキに目をやったところ明らかにクスノキとは異なる枝と葉が伸びているのを見つけた。
自宅でビワを育てている坂本さんは、それがすぐにビワだと分かったという。「背丈からして2年程度は経過しているのではないか」。
今見つかったのなぜか。町は10月下旬、生い茂っていたクスノキの生育環境を良くするため、枝を刈り込んでいた。クスノキがさっぱりとしたことで、隠れていたビワが姿を見せた、というのが真相のようだ。
かつて造園業に従事し、当日の枝切りにも携わっていた高橋純一町長は「全く気付かなかった」と苦笑いを浮かべつつ、「鳥がビワのタネを運んできたか、食べてフンとして落としたのが偶然幹の間にはまって、芽が出たんだろう」と分析する。
クスノキは、今から40年前の1982年に、当時の千代田村が町制施行し役場庁舎を新設した際、一緒に植樹された。高橋町長は「クスノキは役場庁舎のシンボルツリーで、何だか縁起が良い。今後どう成長するか見守っていきたい」と言う。
群馬県緑化センター(邑楽町中野)の担当者は「発芽環境が整っていたのだろうが、珍しいケースではないか」としている。
20年に大阪市のJR大阪駅前の歩道でアスファルトを突き破って生えたダイコンが話題になるなど、植物の生命力の強さは言うに及ばず。坂本さんは「将来成長して実をつけ、人々が集まる町の観光名所の1つになればうれしい」と期待している。
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