二つの味わいを同時に スペシャル合わせもりカレー Cafe杏奴(足利)

下野新聞
2023年1月21日

常連客らから「あんぬMaMa」の愛称で親しまれている前澤美津枝(まえざわみつえ)さん(68)が切り盛りする「Cafe杏奴」。前澤さん特製のポークカレーとチキンカレーを一度に楽しめるのが「スペシャル合わせもりカレー」(1050円)だ。

色の濃いポークカレーは、豚肉、ニンジン、タマネギなどの具材がたっぷり。じわりと押し寄せる辛さが後を引き、口に運ぶ手が止まらない。

一方、黄色がかったチキンカレーは、口に入れると真っ先にフルーティーな風味が広がる。果物を煮詰めたジャムのような調味料「チャツネ」によるものだ。手羽元も、スプーンで簡単にほぐれるほど柔らかく煮込まれている。カレーを注文すると、前澤さんお手製のミニサラダや黒みつ寒天も付いてくるのがなんともうれしい。

2000年に東京都新宿区下落合で開業した。店名は、前澤さんの亡くなった夫が尊敬していた文豪森鴎外(もりおうがい)の次女「杏奴(あんぬ)」に由来している。

13年に夫妻の故郷である足利に戻り、夫の生家に店を構えた。店内には文学を勉強していた夫の蔵書を中心に、小説、雑誌などの多くの書籍が並んでいる。

前澤さんは「『こだわらないことにこだわる』をモットーに、一日一日を大切に店を経営している」と話している。

▼メモ 足利市通2の2624、前澤ビル1階。午前11時半~午後7時。火曜定休、不定休あり。(問)0284・22・4530。