《旬もの》レンコン(茨城・行方市) 丸々と形がよく歯応えも

茨城新聞
2022年12月26日

太く育ったハスの地下茎、レンコン。茨城県土浦市周辺が産地として有名だが、北浦と霞ケ浦の「二湖」に挟まれた同県行方市でも栽培が盛んだ。同市小牧のレンコン農家、小城謙治さん(35)方はレンコン田に囲まれた一軒家。

栽培のメインは丸々として形よく、歯応えしゃきしゃきの「パワー」、食味がよい「金澄」の他「ひたちちから」「ぐりぐり」など。

他の農作物同様、レンコン作りも田んぼ作りから。牛ふんや堆肥、化学肥料も混ぜ込んで、土を掘り返す。いわゆる代かきだ。2~4月にかけて種レンコンを植える。水を管理し、除草し、葉や茎に付く害虫を防除する。成長を見て追肥も施す。

そして7月ごろから収穫。早朝から3時間、田んぼに腰までつかり、ホースの水圧で土中を探りながら掘り出す。折れたり傷つけたりすれば商品価値がなくなる。丁寧に水洗いして節の根を切り、箱詰めしてJAに出荷する。

「農家になって一番よかったのは、青空の下で働き、収穫を喜び、家族と一緒に過ごす時間を持てること」と小城さんは屈託なく笑う。

千葉大園芸学部で土壌の研究をした。「自然を相手に農業か食品関連の仕事」をしたかった。が、就職はJA茨城中央会へ。農家を支援する仕事はそれなりに充実していたが一方で「ちょっと違うな」とも感じていた。県内の若手営農者と接するうち、やりたかったのは農業に直接関わることと気付く。

しかしどこで何を作るか。千葉県佐倉市出身、自営業の三男坊。茨城には地縁も血縁もない。参考にしたのがJA時代に知ったレンコン。資機材など初期投資が比較的少ない、収穫期間が長く融通も利く、他の野菜類に比して単位面積当たりの利益率が高い、相談・指導者の見通しもつきそうだ-などあれこれ考え合わせ「やれそうだ」と踏み切った。結婚、第1子誕生もきっかけになった。

行方のレンコン農家で研修を積み、離農する人から田を借りて80アールからスタート。自分で開墾した分を含めて2ヘクタールまで広げた。

この先「栽培面積を増やし経営を安定させて品質向上を図りたい」と小城さん。研究会をつくり、栽培研究はもちろん農家をもり立てる活動にもいそしむ。ゆくゆくは「オリジナルのレンコン・メンチカツをキッチンカーで売り、食べ方などを情報発信。認知度を上げたい」。妻と構想を話し合う小城さんの視線の先には、レンコンと歩む家族の未来がある。

 

(左下から時計回りに)レンコンのガレット、メンチ、唐揚げ、サラダ

 

■メモ
レンコン
霞ケ浦周辺は日本一のレンコン産地。全国シェアは5割に迫る。湖沿いの土浦、かすみがうら、行方、小美玉、稲敷、潮来、石岡各市、阿見、河内両町、美浦村で栽培され、やわらかな肉質、ほんのりとした甘み、きめが細かく白いのが特長だ。