浮世絵で知る 忠臣蔵の世界 馬頭広重美術館 収蔵70点、来月9日まで

下野新聞
2022年12月18日

【那珂川】忠臣蔵をモチーフにした浮世絵の数々を紹介する企画展「浮世絵でわかる! 忠臣蔵展」が来年1月9日まで、馬頭の町馬頭広重美術館で開かれている。同館が収蔵する70点を展示。太田沙椰香(おおたさやか)学芸員は「冬の風物詩である忠臣蔵の世界に、より多くの人に親しんでほしい」と話す。

1702(元禄15)年12月14日、赤穂浪士47人が亡君浅野内匠頭(あさのたくみのかみ)のあだ討ちのため、吉良上野介(きらこうずけのすけ)の館に討ち入った赤穂事件は、翌年には早くも歌舞伎や浄瑠璃の演目になった。

その集大成として1748(寛延元)年に誕生したのが人形浄瑠璃「仮名手本(かなでほん)忠臣蔵」。この作品はいつ上演しても客が入るほどの人気だったとされ、浮世絵でも忠臣蔵を描いた作品が数多く世に出ることとなった。

企画展は3章構成。第1章は「仮名手本忠臣蔵」を題材に、歌川国貞(うたがわくにさだ)や豊国(とよくに)、広重(ひろしげ)らが描いた浮世絵を通し、忠臣蔵の物語を追う。第2章は赤穂浪士47人を1人ずつ描いた歌川国芳(くによし)の作品を中心に展示し、個性豊かな登場人物にスポットを当てる。第3章は明治から大正期に活躍した浮世絵師、尾形月耕(おがたげっこう)の手による「義士四十七図」の一部をひもとく。

開館時間は午前9時半~午後5時(入館は4時半まで)。入館料は大人500円、高校・大学生300円。19日と、26日~来年1月2日休館。1月3日は入館無料。(問)同館0287・92・1199。