《釣り》茨城・霞ケ浦のテナガエビ 消波ブロックの隙間を探る

茨城新聞
2022年12月12日

 ■のんびり駆け引き

冬の茨城県霞ケ浦の代表的釣種といえば「ワカサギ釣り」。しかしここ数年は以前のような釣果に恵まれなくなってきたせいか、オールシーズン楽しめるテナガエビ釣りの人気が高まっている。11月中旬、行方市の湖岸消波ブロック帯に出かけた。

数年前の冬。霞ケ浦の土手沿いを移動していると消波ブロック帯に釣り人がポツンと1人。ワカサギ釣りかと思って傍らのバケツを見るとテナガエビが20匹くらい入っていた。聞けば水温の低下するこの時期は、梅雨時や秋のような数狙いではなく、水深のある消波ブロックの隙間を探し、移動しながら1本ざおで探りながら釣っていると教えてくれた。1カ所で5~6匹釣ると次の隙間に移動しているようだった。

霞ケ浦のテナガエビは主にゴロタ石や消波ブロックが沈んでいる所がポイント。抱卵している梅雨時期しか狙えないと思っている釣り人も多いが、真夏の暑さが一段落した頃から小型サイズが釣れ出し、再び数釣りが楽しめるようになる。そして朝夕の冷え込みが厳しくなり水温が低下してくると、いよいよ探り釣りのシーズンだ。

水深のあるポイントなので2・4メートルの小物ざお、市販のテナガエビ仕掛けに餌はアカムシ、エビを入れるきれいな水を入れたバケツも持参した。

今回用意したテナガエビ用、タナゴ用の仕掛け

 

 

まずは盛期に狙った辺りから始める。が、なかなかアタリの続くいい隙間が見つからない。やっと目星を付けた隙間は消波ブロックに囲まれた約40センチ四方のポイントだった。

この日、日中の水温は17度くらい。餌を落とし込むと水中のシモリウキがすぐに動き出す。しかし針にかかっていなかったり、隙間に入り込まれて引っかかったり。このやりとり、駆け引きもテナガエビ釣りの楽しさの一つなのだが、なかなかかからない。

思い切ってタナゴ針に変更してみた。すると約90分で15匹を釣り上げた。同じポイントに釣行することが釣果アップにつながる。針を小さくすると餌のアカムシに針先が潜り込んで、エビがかかりにくくなることもあるので、しっかり針先を出したい。

今回は小型サイズばかりだったがポイントによっては良型も交じるようだ。天気のよい日、足場のいい霞ケ浦護岸でのんびりテナガエビ釣りも楽しいものだ。(上州屋土浦店・落合徹)