《釣り》モツゴ釣り 水戸・千波湖の水質改善 仕掛け簡単、1時間で46匹

茨城新聞
2022年11月12日

先頃、国土交通省と県、水戸市は、「霞ケ浦導水事業」で那珂川の水を千波湖に流し込む試験通水の結果、期間中の千波湖で水質改善を確認したと発表した。改善されたなら魚が増えて釣れるかも、と本紙執筆者、大子町の奔流倶楽部渓夢、上谷泰久さんと千波湖に出かけた。

念のため説明すると、千波湖はJR水戸駅から西へ約700メートルに位置する周囲3キロのひょうたん形の淡水湖。北に偕楽園や市中心市街地のビル群を望み、南には茨城県近代美術館があり、水戸のシンボルといえる湖沼だ。

水戸市によると、湖そのもののの管理は同市が担い、南岸はおおむね「ハナミズキ広場」から東、北岸は桜川に架かる芳流橋から東が釣り可能区域だという。

10月下旬の千波湖。天気は快晴、風もない。濁りはあるがアオコはかすかに認められる程度。湖畔に現れた上谷さんが選んだのは、ヤマメ用8・3メートルの延べざおに8・5メートルのフロロカーボン1・2号を付け、針はこれもヤマメ用9号、棒浮きに重りはガン玉2B。餌はミミズ。至ってシンプルだが大物にも対応できる仕掛けだ。

岸から10メートル付近を狙ってキャストを繰り返すと、アタリは来るが一向に食いついてこない。とそのとき、水面近くを悠々と泳ぐ30~40センチのコイを発見。その後も場所を変えながら南岸で1時間ほど粘ったが釣果は得られなかった。

岸からのぞくと、際には何か小魚が多数見える。そこで方針を転換。1・5メートルの小物ざおに0・4号のナイロン糸と玉浮きにガン玉、小さな2号針、餌にユスリカの幼虫アカムシを付け、県近代美術館下付近で糸を垂らした。

「子どもの頃の釣りを思い出すなあ」と上谷さんが懐かしがる暇もあればこそ、いきなり浮きが水中に没した。さおを上げると8、9センチの小魚が跳ねた。モツゴだ。その後はアカムシを付けて仕掛けを投げるの繰り返し。1時間ほどで5~10センチのモツゴ46匹を釣り上げた。過去の生息調査ではコイ、フナ、スゴモロコ、モツゴ、ハクレン、ソウギョ、ブラックバスなどが見られただけに、次こそはと期待が膨らむ。

シンプルな釣りに「子どもの頃を思い出すなあ」と上谷泰久さん=水戸市千波町

 

 

上谷さんも童心に返って「これは楽しい」と笑顔。簡単な仕掛けで大人も子どもも楽しめる千波湖の釣りは、改めて釣りを始めた頃の楽しさを思い出させてくれそうだ。