《釣り》茨城町・涸沼のハゼ 穂先に感じる前アタリ 親子連れ、投げ釣り挑戦
釣りを始めようというとき、何から入るか。私はハゼ釣りを勧める。シーズンは終盤で、ハゼのサイズはほとんどが18センチ前後の大きさに成長している。涸沼などの汽水域などに生息し、簡単に釣れて、食べてもおいしいので人気が高い。
今回は、茨城県茨城町の涸沼で開いた団体向けの釣り教室、リールざおによる投げ釣りをお伝えしよう。
涸沼のハゼは左右の腹びれが合わさって、丸い吸盤になっているのが特徴。基本的にはハゼは1年魚。春に生まれた稚魚は夏場に5センチから8センチほどに成長し、秋から冬にかけて15センチ前後に成長するが、越年して2年生き、20センチ前後(ダボハゼ)になるものもいる。
生息域は淡水と海水が混ざり合う砂泥地で、底をはうように移動しながら、エビや水生昆虫を捕食する。夏は10センチ程度の子ハゼ(デキハゼ)が釣れる。
タックルは2メートルほどの投げ釣り用のさおと、3号のナイロン糸100メートル巻きのリールで合わせた。もちろんちょい投げ用のさおやバスロッドでも代用できる。
今回の仕掛けはてんびんに蛍光オレンジのナス型3号に、赤ハゼ針6号の1本針にした。根がかりの多いポイントもあるので、仕掛けの予備は多めに用意したい。餌はアオイソメだ。
釣行開始は午前9時。教室参加者に釣り場と釣り方、さおの扱い方などについて説明後、釣れそうなポイントを案内した。
親子の参加者が岸から20メートル付近にキャストすると、ぴくぴくと待望のアタリ。釣り上げたのは18センチのハゼだった。栃木県から参加した小学6年の古寺大樹君は約20センチのハゼを釣り上げた。この日はハゼ以外にもチチブ、ウグイが釣れていた。
ハゼ釣りのこつは、餌を底に着けて、さお先で軽く上下に誘うとすぐにぷるっとアタリが来る。ぷるっと来たときはハゼが餌を食いちぎって逃げるとき。慌ててさおを上げてもかかる確率は半分。このぷるっの前、軽く上下させた穂先にわずかな前アタリを感じ取れたら、それはハゼが餌を吸い込む瞬間のアタリで、穂先をゆっくりと軽く上げてアワセるとより食い込んでくれる。釣果を伸ばすこつだ。仕掛けを入れてすぐ餌を取られてしまう場合は、餌が底に着いたら、1、2、3と数えてからタイミングを合わせてみるのも効果的だ。(金丸釣具店店長・石田直也)