栃木県立美術館で「推し」コレクション展 ファンが選んだ作品、ときめきポイントも注目

下野新聞
2022年11月15日

4〜9月の県立美術館開館50周年関連イベント「もう一度見たい!県美コレクション総選挙」で人気を集めた収蔵品を展示するコレクション展「みんなの《推し》コレクション!」が、同美術館常設展示室で開かれている。自分の「推し」作品はあるか、芸術の秋に足を運んでみてはいかが-。

総選挙は初の試み。開館以来のファンから幼児までの585人から、もう一度見たい作品へ1235票の投票(1人3作品まで)があった。同館の全収蔵品約9千点のうち約120点を展示している。

作品への思いを記した「ときめきポイント」も重視し、得票は少なくても記された思いの熱さから展示に至った作品も。展示作品の隣には、解説に代えてときめきポイントが添えられている。「思った以上にさまざまな作品が挙がった。皆さんが発見した驚きや感動など真剣さが伝わり、学芸員も作品を見直すきっかけになった」と、鈴木(すずき)さとみ主任研究員。

総選挙1位は1988年に1億6千万円で購入したモネの油彩「サン=タドレスの海岸」。ときめきポイントで「この絵はモネの青春時代の絵なので、モネがどんな思いで描いたのかわかる気がします」(中学生)、「今だと一体いくらするのか…才能の片鱗(へんりん)・萌芽(ほうが)がこんなにはっきり目に見えることある?と内心突っ込んでいた」(一般)などが挙がっていた。

2位はターナーの油彩「風景・タンバリンをもつ女」、3位は川上澄生(かわかみすみお)の木版画「初夏の風」だった。

来場していた宇都宮市、主婦海野光江(うんのみつえ)さん(80)は「どのように作品を解釈しているのかいろんな視点があり、ときめきポイントを読むのが面白かった」と話していた。

12月25日までで一般260円、大学生・高校生120円、中学生以下無料。