雲海 冬の到来告げる 茂木・鎌倉山

下野新聞
2022年11月7日

立冬前日の6日、宇都宮市は朝の最低気温が4・8度と冷え込んだ。寒気が入った茂木町九石(さざらし)の鎌倉山(216メートル)からは早朝、美しい雲海が見られた。

那珂川から立ち上る水蒸気が冷気に当たって川霧になり、雲のように谷と周辺の集落を覆い尽くす。那珂川の水面から150メートルほどの高さにある鎌倉山の展望台は雲海見物の特等席だ。

雲海に黒々と浮かぶ東の山影の周囲が、夜明けに向け徐々に色と明るさを増していく。日の出の午前6時7分を過ぎ朱色の朝日が遠い雲間から差し込むと、モノトーンだった雲海の上面が瞬時に光に覆われた。雲の切れ間に、はるか眼下の家々が時折姿を現した。

さくら市氏家、教員岡田江利子(おかだえりこ)さん(36)は「毎年この季節が楽しみで、前日からわくわくしていた。見る価値がある景色。来る度に見え方が違う。今日もとてもきれい」と目を輝かせた。