《いばらき御朱印めぐり》茨城・龍ケ崎 龍ケ崎八坂神社 「選ぶ楽しさ」7種類

茨城新聞
2022年11月20日

■龍デザインや限定撞舞

茨城県龍ケ崎市の商店街通りの一角にたたずむ龍ケ崎八坂神社。社務所を訪れると、宮司の和歌森将城(わかもりまさき)さん(39)が笑顔で出迎え、創建の歴史を話してくれた。

由緒は鎌倉時代にさかのぼる。源頼朝の家臣、下河辺政義(しもこうべまさよし)が1186年、当時沼沢地だった同市根町を干拓した際、同市貝原塚の鎮守神社だった八坂大神の分霊を祭ったのが始まりとされる。その後、1577年の第2次干拓で誕生した、現在の場所に移った。

和歌森さんが「ぜひ見てもらいたい」と話すのが、同市指定文化財でもある本殿。上屋(うわや)の下にある檜皮葺(ひわだぶき)の屋根は江戸時代中期のものだといい、現存するのは大変珍しいという。壁には、中国の書物「二十四孝」の一場面を描いた彫刻が施されており、目を引く。

拝殿前左右に鎮座する「夫婦狛犬」も見どころの一つだ。よく見ると向かって左が雌、右が雄と雌雄一対となっている。顔は人面に近いのが特徴で、「作り手の個性が感じられる」と和歌森さん。江戸時代に同市横町の住民たちから寄贈されたという。

御朱印は月替わりや見開きタイプなど計7種類。地名にちなみ、龍がデザインされたものが多い。もとは墨書きの通年デザインのみだったが、「参拝者に選ぶ楽しさを感じてもらいたい」と、徐々に種類を増やしていった。

11月は鮮やかな紅葉をイメージし、赤色の筆ペンで「龍ケ崎八坂神社」としたためたものや、同神社の看板ネコだった「チャミ」ともみじが描かれたものなどを頒布する。そのほか、御祭神の建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)と奇稲田姫命(くしなだひめのみこと)のイラストが描かれたものや、黒地に金の昇り龍と銀の下り龍がデザインされたものなど、通年デザインも用意する。

もみじがデザインされた11月限定と、通年の御朱印

 

また、関東三奇祭の一つで、同神社の神事「撞舞(つくまい)」が実施されるのに合わせ、7月には撞舞限定御朱印も登場する。さらに、来年からは正月限定で干支(えと)の切り絵御朱印も始まる予定だ。

和歌森さんら神社関係者が留守の場合や、12~2月の正月シーズンは書き置きで対応する。また、郵送は実施していない。和歌森さんは「御朱印は参拝の証し。直接神社に足を運んでもらえたらうれしい」と語る。

御朱印ブームが定着したことで、参拝者が増えたという同神社。県内はもちろん、全国各地から訪れる。「神社は神聖な場ではあるが、特別な場ではない。気軽に来てもらえたらありがたい」と和歌森さんは話した。

■メモ
アクセス…車で圏央道牛久阿見インターチェンジから、県道48号を経由し約20分。
住所…龍ケ崎市上町4279
電話…0297(62)6284
御朱印…片面500円、見開き1000円。正月限定の切り絵1500円。オリジナル御朱印帳もある。
受付時間…午前9時~午後5時。不定休。