桐生・重伝建の一角の「一の湯」が年内にも復活

上毛新聞
2022年11月20日

国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)の一角にあり、2018年に廃業した老舗銭湯「一の湯」(群馬県桐生市本町)が早ければ年内にも復活する。風情ある外観と内装に一目ぼれし、今年4月に埼玉県から市内に移住してきた山本真央さん(50)が再開に向けて奮闘している。リニューアルオープンし重伝建の建物から再び湯気が立ち上ることに、地域の期待が高まっている。

一の湯は明治時代に、機屋の女性労働者が利用する風呂場として建てられ、1912(大正元)年には地域住民の公衆浴場となった。その後は北陸出身の吉岡家が代々経営してきたが、4年前に後継者不在のため廃業となった。

埼玉県の中古車販売店に勤務していた山本さんは昨年、共通の友人を介して、同市末広町のライダー用衣料品店「フリーライド」の店主、二渡一弘さん(57)と出会った。そこで一の湯を紹介され、「自分の手でやってみたい」と再開を決意したという。

拠点を東京都から市内に移したITベンチャー「CICAC(シカク)」の社長、今氏一路さん(39)のサポートもあり、今年10月に賃貸借契約を結ぶなど、現在は改修工事に取りかかっている。

さびで浴槽が赤褐色に汚れていたり、脱衣所がほこりまみれだったりと修繕に追われる日々を過ごす一方で、山本さんは「地域の方々の笑顔が早く見たい」と夢を膨らませる。

廃業前まで、よく利用して湯を楽しんでいたという二渡さん。「常連客とたわいのない会話をしていたのが思い出。再開したら、また癒やされに行きたい」と入浴を待ち望む。

周辺の地域活性化に取り組んでいるNPO法人本一・本二まちづくりの会の斎藤直己代表(44)は「(重伝建登録から)10年という節目を迎え、まちづくりの機運が高まっている。若い世代を中心に市内の地域活性化につながれば」と期待を寄せている。

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