13キロ巡り楽しむ作品群 野外彫刻展 茨城・桜川の大和地区 

茨城新聞
2022年10月25日

茨城県桜川市大和地区の里山や集落を舞台にした野外彫刻展「雨引の里と彫刻」が開かれている。作家33人の個性が光る作品が点在し、訪れた人たちは全行程13キロもの鑑賞ルートをオリエンテーリングのように巡りながら楽しんでいる。12月11日まで。開催は約3年ぶりで、今年で12回目。県内外の作家が石や土、竹などの素材を使って創作した。

佐藤晃さんの「大気の襞(ひだ) Ⅵ」は、自然に囲まれた空間に石柱がそびえ立つ。西成田洋子さんの「記憶の領域2022・タイパビリオン」は、使い古された洋服や靴、人形などをオブジェに仕上げた。

島田忠幸さんの「目指せ 13m」は、金属製のカンガルー3体が跳躍するような姿が印象的だ。鈴木典生さんの「花舞台」は、花の形に彫った石を土で築いたステージに配置した。

鑑賞者は自転車や車などで巡回していた。レンタサイクルで訪れた同市、会社員、宮田若奈さん(24)は、石材業が盛んな同市の産業にも触れ「石の作品が多い。こういう形で作品になり、すてきだなと思った」と話した。

作家が作品を解説する「アーティスト・トーク」が11月6日に開かれる。問い合わせは同市生涯学習課(電)0296(20)6300。