常陸太田の国道461号拡幅 観光バス、通行容易に

茨城新聞
2016年8月22日

常陸太田市上高倉町と下高倉町で拡幅整備が進められていた国道461号の約1・1キロの区間が、24日午後3時に開通する。今回の開通で大子町と同市を結ぶ縦の軸が全線でつながる。観光シーズンの渋滞緩和で、観光バスの通行が容易となることから、新たな周遊ルートの形成に期待が高まっている。

1999年度に始まった国道461号の拡幅事業は同市水府地区と里美地区を結ぶ7・2キロを整備するもの。このうち、大子町に隣接する上高倉町から、下高倉町の県道33号に接続する約3・8キロは、これまでに約2・7キロを拡幅済み。

今回の開通区間は幅員10メートルで、片側3メートルの道路。開通時期は9月の県北芸術祭の開幕に間に合うよう、当初の予定より約2カ月早まった。

同区間は道幅が狭くカーブも多いため、車の擦れ違いが困難だった。ゴールデンウイークや、紅葉時季などの観光シーズンには渋滞が発生。団体旅行の大型バスが通りにくく、観光振興の面で課題となっていた。

開通により、大子町の袋田の滝と同市天下野町の竜神峡という、県北地域の主要な観光地間の円滑な交通が確保されることで、国道118号などを含めた観光周遊ルートの利便性が向上する。

大久保太一市長は「いままで来られなかった観光バスの流れがこちらに向いてくれる」と、竜神峡だけでなく、市中心部の西山御殿(西山荘)や、7月にオープンした道の駅ひたちおおたといった市内の観光拠点への誘客促進に期待。同市観光振興課は「これまで分断されていた袋田の滝と竜神大吊橋がつながるのは大きい。(大子町と)うまく助け合いながら、相乗効果を発揮できるようにしたい」と話している。 

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