高級絹のストール 皇后さまゆかりの蚕 「小石丸」使い草木染 桐生

上毛新聞
2016年6月22日

ㅤはんてんや染織品を製造する村田捺染(なっせん)加工(桐生市錦町、村田紳光社長)は、日本純粋種の蚕「小石丸」の糸を使った高級ストールを開発し、秋冬に向けて販売を本格化する。都内の富裕層や訪日外国人旅行客をターゲットに、高品質な国産の絹の魅力を売り込む。
ㅤ小石丸は皇后さまが育てていることで知られる。一つの繭から取れる糸の長さが約500メートルと他の品種よりも短く、太さも細いのが特徴。飼育する養蚕農家はほとんどなく、希少ゆえに繭は高値で取引されている。
ㅤ同社は県の補助金の採択を受け、昨年、高級ストールの開発に踏み切った。小石丸の糸は安中市内の養蚕農家が生産したものを使い、草木染でグラデーションを付けながら紫、赤、濃い黄、淡い緑などに染め上げた。高級な絹ならではの光沢があり、保温性にも優れる。
ㅤ1枚(縦70センチ、横190センチ)7万8千円(税別)で、きり箱入り。都内の百貨店や高級ブティックを中心に販売戦略を考える。県ブランド蚕品種の「ぐんま200」や「新小石丸」のオーガンディなどと合わせ、「天空の色彩・究極の絹」のブランドで売り出す考えだ。
ㅤ村田社長は「雲に光が差したような絹製品を作りたかった。肌映りが良く、身に着けるだけで雰囲気が変わるので、接客し、試着してもらいながら販売したい」と話している。
ㅤ問い合わせは同社(電話0277・44・5202)へ。