《食いこ》ケーズビレッジ(茨城県かすみがうら市) 上質霞浦牛でハンバーグ
茨城県かすみがうら市内で飼育されているブランド牛「霞浦(かほ)牛」の肉料理が楽しめるカフェレストラン「K’S Village(ケーズビレッジ)」。休日には県外からも客が訪れる評判店だ。
スタッフらと共に和気あいあいと店を切り盛りするのは、店長の木村幸江さん(48)。霞浦牛は夫の学さん(44)が育てている。「夫が手塩にかけた牛をお客さんに直接届け、味わってもらいたい」と店を立ち上げた。
霞浦牛は上品な香りとやわらかで甘みのある脂が特徴。ホルスタインの雌と黒毛和牛の雄から生まれた交雑種で、学さんが農場長を務める「みやじま牧場」(同市)でのみ育てられている。学さんによると、近隣農家から仕入れたサツマイモやレタス、コメなどを独自の配合で与えることで、肉質の向上につなげてきたという。昨年、牛肉の全国品評会で日本一の最優秀賞に輝いた。
10種類以上あるメニューは、幸江さんの義弟で同店オーナーの進さん(41)が開発した。特に力を入れるのがハンバーグ。合いびきではなく霞浦牛のみを使い、しっとりやわらかな食感を目指した。「牛肉100%のハンバーグは硬めで、ぼろぼろすると思われがち。お客さんを驚かせたかった」と進さん。肉のひき方やひく回数、調味料を変えるなどして何十回と試作を重ね、霞浦牛のおいしさを引き出す自信作を完成させた。
こうして誕生したハンバーグはひき肉のほか、タマネギや卵などの材料と手ごねし、フライパンで焼き目を付ける。あまりのやわらかさに幸江さんは「崩れないようにひっくり返すのが大変」と苦笑い。看板メニューの「ウェルカムランチ(1848円)」はハンバーグのほか、丸一日煮込んだ牛すじカレーやサイコロステーキも味わえる。
店内は幸江さんらが約3カ月かけてハワイ風に改装した。白い木の壁や飾られたサーフボードが南国の明るい雰囲気を醸し出し、テーブルに出された肉料理が一層映える。
オープンから3年目を迎え、常連客が増えてきたことを実感する幸江さん。さらに多くの人に霞浦牛と店を知ってもらおうと、テイクアウトや精肉販売を始めるなど、新たな挑戦を続けている。
■お出かけ情報
K’S Village
▽かすみがうら市深谷61の84
▽営業時間は午前11時~午後2時
▽定休日は日曜(8月15日も)
▽(電)029(846)5272