岩井俊雄さん創作の全貌 茨城県近代美術館で企画展 絵本やおもちゃ展示

茨城新聞
2022年7月6日

絵本作家とメディアアーティスト。二つの顔を持つクリエーターの表現世界を楽しむ企画展「どっちがどっち?いわいとしお×岩井俊雄-100かいだてのいえとメディアアートの世界」が、水戸市千波町の茨城県近代美術館で開催されている。草創期の模索から最新作まで、岩井俊雄さんの創作活動の全貌に迫る内容で、多種多様な作品を通し、もの作りの楽しさを伝えようとする展示になっている。

岩井さんは1962年、愛知県生まれ。筑波大芸術専門学群在学中に第17回「現代日本美術展」大賞を当時最年少で受賞。コンピューターやハイテクを駆使した作品を生み出し、高く評価された。2006年からは絵本作家として活動を始め、「100かいだてのいえ」はシリーズ累計発行部数400万部の大ヒット作となっている。

展示は、人気絵本「100かいだてのいえ」の世界からスタート。本を縦に開くアイデア、こだわりの絵本ができる過程、原画などが紹介され、子どもと一緒に作った紙や木製のおもちゃが大きな見どころになっている。続くコーナーでは、子ども時代の発明ノートやパラパラマンガ、影響を受けた本などが披露され、映像と音楽と人の一体化をテーマにしたメディアアートの代表作「映像装置としてのピアノ」に集大成していく軌跡が、展示を通して解説されている。

1日に開かれた内覧会で、岩井さんが展示物について報道陣に解説した。アナログとデジタル双方の魅力に触れながら、岩井さんは「両方あるから面白い。ジャンルにとらわれない広範な技術で、いろいろなものができると伝わればうれしい」と話した。

会期は9月19日まで。午前9時30分~午後5時。一般1000円、満70歳以上500円、高大生730円、小中生370円。月曜休館。(ただし18日開館、19日休館)。