江戸崎祇園祭開催へ 茨城・稲敷 7月22~24日、3年ぶり 「伝統をつなぐ」
茨城県稲敷市の夏の風物詩「江戸崎祇園祭」がこの夏、3年ぶりに開かれる。今年の開催日は7月22~24日。新型コロナウイルス対策で密集を避けるため、みこしをトラックに載せて街中を回り、山車、おはやしは各町内の自主判断とした。当番町とともに祇園祭を取り仕切る一人で、同市高田の高田神社宮司、千田寛治さん(67)は「伝統を次の世代につなぐためにも今年は開催する」と意気込みを見せる。
同祭は室町時代末期の天正年間を起源とし、現在は八坂神社(江戸崎乙)と鹿島神社(江戸崎甲)との合同祭礼となった。みこしが山車とともに商店街を練り歩き、各町内が繰り出す山車には15人ほどのはやし方が陣取り、台座を回しながら祭りばやしで盛り上げる。同祭は昨年度、市の無形民俗文化財に指定された。
2年連続で神事のみ執り行われた。県内の感染状況が落ち着きを見せており、関係者は今年は開催可能と判断。感染防止対策として、みこしをトラックに載せ、みこしをもむ代わりに街角で短時間停車する、ご神体を移す際も宮司が迎えに行く-などの工夫をする。山車やおはやし、子どもみこしは、6月中旬に各町内で判断する。現在は半数近くの町内が山車を出す意向という。
鹿島・八坂両神社の宮司も兼務する千田宮司によると、今年は開催を待ち望む市民から問い合わせが多く寄せられているといい、「感染対策を十分にして、安全に楽しめる祭りにしたい」と話している。