野外上映で地域つなぐ…定期開催目指して機材確保へ月末までクラウドファンディング
映画を通じて館林市中心街を盛り上げようと、市民団体「SORANOMON(ソラノモン)シアター実行委員会」が、公共空間を活用した野外上映会の定期開催を目指して活動している。必要な上映用機材の確保に向け、クラウドファンディング(CF)で6月末まで資金を募っている。実行委は「定期的に上映会を開き、地域の人をつなぐイベントにしたい」と意欲を見せている。
実行委は2018年、まちづくりや空き地利用に取り組む市の講座をきっかけに発足。野外上映会は講座で検討した鷹匠(たかじょう)町長屋門(同市大手町)の空き地活用策として企画した。
実行委メンバーの飯塚裕さん(61)によると、現在は市内に映画館が一つもないが、1980年代までは中心街に複数の映画館があり、週末になると家族連れやカップルでにぎわっていた。野外上映会の形で映画館を復活させ、世代を超えた交流の場所をつくる狙いだった。
これまでに長屋門や市内の飲食店などで3回開催し、幅広い年齢層が楽しめる作品を中心に上映してきた。子育て世代から「子どもが騒いでも野外のため安心して見られる」との声が寄せられるなど好評で、定期開催を考えたという。
そこで課題になったのが機材の確保。これまでは上映会のたびにスピーカーやプロジェクターなどを市や店に借りる必要があった。調整に時間がかかって定期化が難しかったため、CFを通じて協力を呼びかけ、自前の機材を取得することにした。
CFの目標金額は100万円。CFサイト「モーションギャラリー」で募集中。返礼品として2年間有効の上映チケットなどを用意している。「オールオアナッシング方式」と呼ばれる形式のため、目標額に到達しない場合は寄付分を返却し、定期化を断念することになる。
9月には長屋門で安中市を舞台としたまち映画「ライズ&シャトル」の上映会を予定している。実行委の石川京子委員長(44)は「映画をきっかけにさまざまな交流が生まれるような、館林ならではのイベントにしたい」と支援を呼びかけている。