太田城跡の遺物展示 発掘時の映像も紹介 茨城・常陸太田市郷土資料館 19日調査報告会
茨城県常陸太田市西二町の市郷土資料館「梅津会館」で、企画展「発掘された常陸太田の歴史 太田城跡Ⅱ」が開かれている。同市栄町の太田城跡の2020年度発掘調査で出土した遺物の一部を展示し、発見された堀跡などを紹介している。7月3日まで。
太田城は藤原通延が1109年に築いたと伝えられている。佐竹氏3代隆義が当時の城主から城を奪い、その後、一時的に城を明け渡していた期間はあるものの、佐竹氏20代義宣が1591年に水戸城に移るまでの約450年間、豊臣政権下では約54万石を有する戦国大名となった佐竹氏の本拠を置いた城になる。最終的に廃城となったのは、築城されてから約750年後の明治初期という。
廃城後は宅地造成のために土塁は破壊され、堀が埋められていた。道路改良に伴う2019年度の調査で本郭北側の外郭に当たる場所を調査し堀跡を確認。20年度に追加調査を行い、近世の絵図には描かれていない大規模な堀跡が発見された。
同展では堀跡ごとに数多い出土品の皿や火鉢、甕(かめ)、茶わんなど約120点を展示している。第2号竪穴建物跡出土では、土師(はじ)器の長胴甕や、遺構外出土の宝篋(ほうきょう)印塔の相輪部など。そのほか絵図から見る太田城や、映像で発掘当時の堀跡の様子も紹介している。
同資料館では「展示物などを通して、いまだ謎が多い太田城跡について理解を深めてもらえれば」としている。
調査報告会が6月19日午後1時半から、同会館で予定されている。定員40人の事前申込制で定員を超えた場合は抽選。申し込みは市ホームページのメールフォームか往復はがき。締め切りは5月31日(当日消印有効)。問い合わせは同市文化課(電)0294(72)3201。