温泉施設にフィットネス ホテルサンシャイン益子舘 鍛えた後には癒しと憩い コロナ助成活用、新事業

下野新聞
2022年5月18日

益子舘里山リゾートホテルを運営するホテルサンシャイン益子舘(益子町益子、高橋美江(たかはしよしえ)社長)は17日までに、ホテルの施設内にフィットネスクラブ「温泉&フィットネス flaner(フラネ)」をオープンした。新型コロナウイルス禍で本業が打撃を受ける中、新事業による収益向上や宿泊業との相乗効果を目指す。

同社によると、コロナ禍で宿泊客は伸び悩み、売上高、宿泊者数とも一時、感染拡大前の3割程度の水準に落ち込んだ。状況を打破しようと、着目したのがフィットネス事業だ。全国では2013年以降5年間に会員数を約100万人伸ばしている一方、益子町内には事業者がいなかったという。

町内や近隣地域で見込まれるニーズに加え、ホテルに滞在中、トレーニングを欠かさない外国人客など今後の誘客も想定して、事業進出を決めた。

昨秋、新業態や新領域への展開を後押しする国の事業再構築補助金の交付が決定した。財政支援を含め総額約2200万円を投じて、コロナ禍で団体客の利用が見込めない会議室(広さ約97平方メートル)を改装し、最新機器などを導入した。

フィットネスクラブには、ランニングマシーンなど有酸素運動用の機器10台、筋力トレーニング用マシン6台など計約20台をそろえた。専属トレーナー2人も雇用した。フランス語で「散歩する」という意味の店名には、「くつろぎながら汗を流してほしい」との思いを込めたという。

今月10日にオープンし、会員数は既に80人を突破した。目標数は150人で、月次売上高は約100万円を目指す。

林絵莉(はやしえり)若女将(おかみ)は「地域の健康寿命を延ばす健康なまちづくりにも貢献していきたい」と話している。