直政の人物像知って 理容室外壁に絵 箕輪城、最後の城主 高崎の西原さん
徳川家重臣で高崎市にあった箕輪城の最後の城主・井伊直政の研究などに取り組む西原巌さん(78)=同市箕郷町上芝=が、経営する理容室の外壁に直政を描いた看板を設置した。同じイラストを使った御城印も箕輪城跡で販売を開始。西原さんは「重臣の1人でありながら、一番に突入する勇ましい姿を知ってもらいたい」と話している。
西原さんは理容室経営の傍ら、「箕輪城井伊直政公研究会」の会長を務める。看板は合戦の際、赤備えに身を包み、やりを携えて戦った直政の人物像を知ってもらおうと設置した。看板の大きさは縦約1.5メートル、横約3.6メートル。甲冑(かっちゅう)姿の直政に加え、家紋なども描いた。イラストは埼玉県川口市の挿絵画家、川島健太郎さんが手掛けた。
理容室外装部分の改装と、店内の新型コロナウイルス対策用の空気清浄機の設置などと合わせ、約30万円をかけて実施。同市の「まちなか商店リニューアル助成事業」に申請し、約半分は補助金を活用した。
西原さんは「(井伊家の地元の)浜松の人にも誇れる良いものができた。目に入るように設置したので、ぜひ見てほしい」と話している。
御城印にも同じイラストを使用。毎週日曜に箕輪城跡の販売所で、1枚300円で販売している。箕輪城にまつわる御城印は、直政の前に治めた長野氏などを含め10種類以上ある。
箕輪城は1500年ごろに長野氏が築き、武田氏の家臣や北条氏など城主が数回にわたり移り変わった。直政は江戸幕府を開いた徳川家康に仕え、家康が江戸に移った際に箕輪城12万石の城主となり8年間治めた。98年に高崎城に移り、箕輪城は廃城となった。現在残る城跡は直政の時代のものとされる。戦国時代の代表的な城跡として国指定史跡や「日本百名城」に選ばれている。