前橋「呑竜仲店」本格オープン 横丁 明るく再出発
戦後まもなく誕生し、レトロな雰囲気を残す群馬県前橋市千代田町の飲食店街「呑竜仲店(呑竜マーケット)」が27日、全店舗の改装工事を終えて本格オープンした。ギョーザやジンギスカンなど幅広いジャンルの飲食店14店舗が並び、赤ちょうちんに明るく照らされた通りには常連客ら約100人が集まり、通称「呑竜横丁」の再出発を祝った。
呑竜仲店は1947年に誕生。レトロなたたずまいや小規模で家庭的な店が人気を集めたが、時代とともに閉店が増加した。そんな中、呑竜仲店協同組合(黒岩千春理事長)はにぎわいを取り戻そうと昨年、役員を一新。アーケードをふき替えるなど横丁全体の改修を進め、新規出店を募った。現在は17店舗のうち14店舗が埋まり、レトロさを生かしつつ、明るい雰囲気の飲食店街に生まれ変わった。
この日のリニューアル式典には山本龍市長や市議会議員、地元自治会長らが出席し、くす玉を割って新たな門出を祝った。アーケードには長机が置かれ、招待された常連客らが各店自慢の料理や酒を味わった。参加した市内の男性(53)は「いろいろな店があり、はしごして楽しめる。街中にこのような飲み屋街はなかったのでうれしい。これから定期的に通いたい」と歓迎した。
今後は季節ごとに横丁全体でのイベントを開くことも検討している。黒岩理事長は「袖が触れ合うほどの小規模な店が並び、人同士のつながりが感じられる。昭和の良さを残しつつ、利用される方にとって心安らぐ場所になればうれしい」とあいさつした。