小町山、鬼越山ハイキング人気 地元住民が登山道整備 土浦 2年半で5コースに
小野小町伝説が残る茨城県土浦市新治地区の小町山や鬼越(おにごえ)山へのハイキング人気が沸騰している。筑波山系にあり、この2年半ほどで地域住民やボランティアが登山道を次々と広げ、既存の1コースと合わせ計5本のコースができた。新型コロナウイルスの密回避でアウトドアの人気が高まる中、手軽に登りやすい山として大勢のハイキング客を集める。住民たちは「自分たちが楽しんでやっている。地域が活性化してもらえれば」と話している。
同地区は市の観光施設「小町の里」を拠点に、朝日峠にハイキングやパラグライダーの愛好者が集まっていた。高齢者らでつくる住民のボランティア団体「小町里山愛好会」や「土浦健康増進友の会」が、隣接する里山の整備を始めた。団体は約15年前、筑波山の隣の宝篋(ほうきょう)山(標高461メートル)の登山道も手掛け、今では年間10万人以上が訪れる人気の山になった。
団体はまず2018年、地権者の協力を得て小町山(同361メートル)の登山道「尾根コース」「天の川沢コース」をつくった。
さらに昨年1月ごろ、小町山と尾根続きの鬼越山(同372メートル)の登山道にも着手した。会員15人ほどがチェーンソーやスコップ、草刈り機を使いやぶを切り開き、倒木や間伐材で急斜面に土留めして道を延ばした。「鬼越尾根コース」をつくるとともに、1週間ほどで標高差の少ない水平歩道を通して「仲良し小道」と名付けた。作業時に見つけた巨岩や大木を名付け、地図も配っている。
小町の里を出発し、小町山登山口から「熊の石」「子宝の木」などがあるつづら折りを経て、鬼越尾根コースから鬼越山山頂へ急坂を登ると、宝篋山や筑波山の展望が開ける。仲良し小道を経て小町山山頂へ足を伸ばせば、パラグライダーの出発地から霞ケ浦がよく見える。尾根コースや「朝日峠展望コース」を下山して5~6キロ、3時間ほどの登山を楽しめる。
愛好会は今も各登山道に手作りベンチを置いたり、草刈りしたり作業の手を止めない。会員の関紀吉さん(75)は「いろんな登り方ができるのが魅力」、代表の斉藤晃さん(79)は「ストレス発散や足腰の健康のためぜひ登りに来て」と呼び掛けた。
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