野外活動の聖地へ 高萩スカウトフィールド、自然生かし野営場

茨城新聞
2016年7月30日

高萩市の山間部で野外体験活動の拠点づくりが進められている。ボーイスカウト日本連盟が県や市と連携して整備する「高萩スカウトフィールド」だ。広大なキャンプエリアなどを中心に、自然を生かした「青少年活動の場」として整備・活用を図る。県教委は「全国各地の人が集結する“野外活動の聖地”にしたい」と意気込み、青少年の健全育成や県北地域の活性化にも期待を寄せる。

県教委によると、野外活動拠点の整備予定地は、同市中戸川と花貫にまたがる面積約271ヘクタールの山林。同連盟が2012年、大手住宅メーカー「大和ハウス工業」(本社大阪府)から「子どもの自然体験や環境教育などに活用してほしい」と無償で譲り受けた。

同連盟は県、市と連携し、13年度に整備を本格化。「大和(やまと)の森 高萩スカウトフィールド」と名付け、ボーイスカウトのメンバーが樹木の伐採に取り組むなど、自然を生かした野営場造りが進められている。

約3年かけて、敷地面積約7035平方メートルの「キャンプエリア」がほぼ完成。約2千人が宿泊できる大規模なキャンプスペースを確保するとともに、シャワー棟やトイレ、集会などを行える野外講堂「スカウトホール(仮)」を設けた。遊歩道や駐車場、芝生広場なども今後、整備する予定という。

広大な敷地のほとんどは、自然に触れて親しむ場とするため、山林のまま残す。日本ボーイスカウト県連盟は「野外体験活動や環境教育に最適で、多くの人が集う場所になってほしい」と期待を込める。

キャンプエリアでは30日から4日間、県内のボーイスカウトが集結する「第19回県キャンポリー」が開かれる。約800人が参加する初めての大規模な野営大会で、初日に関係者らを招いて開会式を兼ねたセレモニーを行う。

今後はキャンプスペースを拡張し、最大で収容人数3260人という日本最大級のキャンプエリアを整備する計画。来年夏ごろの完成を目指して整備を進め、県教委は「完成に合わせて一般開放も始めたい」考えだ。

野外体験活動について、県教委は「生きていく上で必要な力を身に付けるために重要な取り組み」と位置付ける。同フィールドの活用を促すとともに、野外活動の基礎知識や楽しみ方などをまとめた冊子を作成し、県内の学校などに配布して活用してもらう考えだ。

県教委は「全国的にも貴重な場所になる。県内外から多くの人に来てもらい“野外活動の聖地”として大きく育っていってほしい」としている。

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