くず鉄で創作、動物生き生き 稲敷在住造形作家・正野さん 7月18日まで水戸で企画展
茨城県稲敷市江戸崎町在住の造形作家・正野豪勇さん(78)=現代美術家協会会員=の企画展が、水戸市備前町の常陽史料館で開かれている。会場には、くず鉄を再利用し創作されたユーモアあふれる作品約50点が展示されている。7月18日まで。
正野さんは、東京都生まれ。中学を卒業後、日本中央競馬会(JRA)美浦トレーニングセンターで長年競馬に蹄鉄(ていてつ)を打つ装蹄師として活躍。1976年に全国装蹄競技大会で優勝するなど、多数の賞に輝いた。「50年以上鉄をたたいてきた。定年後も鉄を打ちたい」と、約20年前から立体造形作品の制作に取り組んでいる。
今展には、同協会の展覧会「現展」の入選作品をはじめ、羽を広げた全長1メートル80センチのオオワシの大型作品や、カニや小動物など「身近な生き物」をモチーフとした作品が展示されている。
中でも、童話「おおきなかぶ」を題材にし、4匹のカエルと1匹のイヌがカブを引っ張る作品が愛らしく目を引く。この作品には、馬の爪を研ぐやすりで畑のうねを表現。カブを引っ張るひもはワイヤーロープと針金で形づくり、カブの葉は鉄板を焼き形成し、葉の模様を付けたという。
土浦市在住の無職、小野田祐三さん(78)は「楽器を持たせたり物語性があったりと面白い。子どもも楽しめる内容」などと見入っていた。
正野さんは「ぜひ作品に触って、鉄の面白さや色合いを楽しんでほしい」と話した。同館の開館時間は午前10時~午後5時45分。毎週月曜休館。
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