深い関わり 史料で紹介 市博物館企画展 小山見ずして 日光語るなかれ 絵巻、太刀など40点展示
【小山】市立博物館の企画展「日光山と小山」が、6月20日まで開かれている。江戸時代の日光社参だけでなく、中世の小山氏の時代から小山は日光山と強い縁で結ばれてきた。「見て楽しめるように」と、関連する美術品や古文書など約40点を展示している。
江戸時代の小山宿は、日光街道の主要な宿場町だった。江戸から日光へ行くには宇都宮経由、壬生経由の2通りあるが、いずれも小山宿を通過する。3回あった将軍社参では、現在の小山市役所北隣にあった「小山御殿」が昼食の場に使われた。
展示物の中で目を引く大型の屏風(びょうぶ)「日光東照宮祭礼図屏風」(県立博物館蔵)は、東照宮例祭の行列の様子を描いた。「朝鮮使節来朝図絵馬」は、市内の大川島神社拝殿に掲げられている大型の絵馬。年代や由来は不明だが、保存状態が良い。朝鮮通信使の日光参詣は3回あり、いずれも小山が宿泊地となった。
江戸時代以前の展示品は「小山持政(おやまもちまさ)奉納 無銘大太刀」(日光二荒山神社蔵)が一段と目を引く。刃長は135・9センチもあり、刀身の銘から1464年に奉納されたことが分かる。
同博物館の尾上仁美(おがみひとみ)学芸員は「小山からよく見える日光連山は、古来多くの人々の崇敬を集めてきた。展示品を通して小山と日光山の歴史に思いを巡らせていただければ」と話している。
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