関根伸夫展が開幕 真岡久保交流館 貴重な版画や素描21点
【真岡】世界的に著名な芸術家関根伸夫(せきねのぶお)さん(1942~2019年)の貴重な版画や素描を紹介する企画展「関根伸夫展」が15日、荒町の久保記念観光文化交流館美術品展示館で始まった。市ゆかりの美術評論家久保貞次郎(くぼさだじろう)さん(1909~96年)の遺族から市に寄贈された絵画などの「久保コレクション」から、関根さんの19点を含む計21点を展示している。6月14日まで。
関根さんは埼玉県生まれ。多摩美術大大学院油画研究科修了。1968年、第1回現代日本野外彫刻展で作品「位相-大地」が反響を呼び、60年代以降の日本の現代美術に大きな影響を与えた。73年に社会と街をアートで結ぶ活動に取り組む環境美術研究所を設立。2014年に米国で初個展を開催してから5年後、ロサンゼルスで逝去した。
企画展では、彫刻作品のアイデアやイメージを構築する過程で関根さんが制作したシルクスクリーンの「自画像」や「絵空事-風船」、「おちるリンゴ」といった1970年代の作品や、60年代の水彩などの素描を中心に紹介している。
75年に関根さんと全国各地で2人展を開催した芸術家島州一(しまくにいち)さん(1935~2018年)のシルクスクリーン「ボートの女」「リンゴ箱」も展示している。
市教委文化課の学芸員内田葵(うちだあおい)さんは「都市空間や建築空間に彫刻作品を設置し、空間そのものを作品にする創作活動に努めた関根は、国内外の現代美術に大きな影響を与えた。遊び心があり、ユーモラスな関根の版画や素描を楽しんでもらいたい」と話している。
観覧無料。午前9時~午後6時。休館日は毎週火曜(5月4日は開館)、5月6日。(問)交流館0285・82・2012。
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