益子焼の魅力 言葉から 道の駅が企画展第2弾 故成井恒雄さんの作陶紹介 25日まで

下野新聞
2021年4月9日

 【益子】益子の土や伝統技法にこだわりながら多彩な作品を残した町出身の陶芸家成井恒雄(なるいつねお)さん(1939~2012年)の言葉に焦点を当てた企画展「師匠のことば~成井恒雄と仲間たち~」が長堤の道の駅ましこで開かれている。山崎祥子(やまざきしょうこ)副支配人(32)は「作り手の言葉から益子焼の知られざる一面を知ってもらいたい」と来場を呼び掛けている。25日まで。

 企画展は、1~2月に開き好評だった「師匠のことば~島岡達三(しまおかたつぞう)と弟子達~」に続く第2弾。

 成井さんは中学卒業後に家業の円道寺窯で修業を始め、その後独立。足で蹴って回す「蹴ろくろ」と登り窯で作陶に励んだ。民芸精神とそれ以前の益子の伝統を正しく伝える数少ない陶工の一人といわれ、成井さんの下で蹴ろくろを習った人は50人を超えるという。

 会場では器など50点以上の成井さんの作品とメモを展示し、30人以上の弟子から聞き取った「心に残っている言葉」をパネルなどで紹介。「おれはおれおれはおれだと蹴るろくろ」などと書き留められたメモのほか、弟子からは「思ったとおりのものができたらそれほどつまらないものはない」「根性には継続性がない」など人間味あふれる言葉が多数挙げられている。

 展示にも工夫を凝らしており、成井さんが細工場に訪れた仲間と言葉を交わした囲炉裏(いろり)やハトを飼っていた鳥小屋なども再現し、ディスプレーしたという。

 午前9時~午後6時。第2火曜日定休。(問)道の駅0285・72・5530。

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