益子駅舎に洋風飲食店 地元旅行会社が新事業 地域活性化も目指す
【益子】益子駅舎内に洋風飲食・総菜店「デリ&タパス ワラサン」が今月、オープンした。スペイン風のタパス(小皿料理)や肉料理、パスタが手頃な価格で味わえるほか、テークアウトもできることが乗降客や地元住民に好評だ。新型コロナウイルスの影響で観光業界も苦境に立たされる中、北中の旅行会社「はぎわら観光」代表取締役の萩原一貴(はぎわらかずたか)さん(44)が新規事業に乗り出し、地域の活性化も目指す。
ワラサンは1日、駅舎内に入る町観光協会隣の空きスペースに開店した。白を基調とした延べ床面積約50平方メートルの店内に、特注の木製テーブル8席やカウンター席を設けた。店名は萩原さんが親しい知人に「わらさん」と呼ばれていることから名付けたという。
タパスはスペインのバル(居酒屋)に並ぶ冷製や温製の小皿料理のこと。ワラサンではエビやホタテのセビーチェやナスとズッキーニのみぞれ煮、夏野菜の揚げ浸しなど約10種をグラム数に応じて税別150~390円で提供している。
ライスとミニサラダが付く牛肉の炭火焼きプレート(1200円)とポークソテープレート(千円)や、冷製トマトカッペリーニなど3種類のパスタも用意。デザートやソフトドリンク各種のほか、アルコール類にも対応する。
萩原さんはインバウンド(外国人誘客)を見込み、今春から駅舎内の空きスペースを借りて外国人向けの田舎巡りの予約などを受け付け、軽食の場も備えたガイドツアーの拠点とする予定だった。ところが新型コロナの感染拡大で状況は一変。メインを洋風飲食・総菜店に切り替え、夏休みの時期に合わせて開店した。
「旅行会社として先行きが見通せない中、前向きに変化していくことに決めた」と萩原さん。「もともと農家なので本社近くに農園を開園し、季節の野菜の生産・販売も始めた。ピンチをチャンスと捉え、地域の活性化も図っていきたい」と意欲を見せている。
午前11時~午後6時半。木曜定休。(問)ワラサン0285・81・3702。
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