人つなぐ「大きな食卓」 那須に完成 朝市が発展、複合施設に
【那須】10年前に始まったマルシェイベント「那須朝市」の関係者らが出店する常設の複合店舗施設「GOOD NEWS(グッドニュース)」が高久乙に完成し、17日、オープニングレセプションが行われた。ソフトクリームや菓子販売、カフェ、就労支援施設を兼ねた菓子製造工場のほか、期間限定のショップやギャラリーなどを開催できるスペースも設けた。関係者が目指す那須の「大きな食卓」を囲むように、多様な人がつながる場にもなる。オープンは18日。
那須朝市は2010年、那須の食を通じた交流の場をつくろうと始まった。11年の東日本大震災の影響でいったん休止したが、生産者や飲食店など仲間が集まり再開。そこから発展し、15年には那須塩原市内に常設店舗「Chus(チャウス)」をオープンしている。
「グッドニュース」の敷地面積は約1650平方メートル。延べ床面積約500平方メートルの建物3棟に5店舗が出店している。森林ノ牧場(豊原乙)のソフトクリームスタンドやウエディングプロデュース、建築不動産など業種は多様。バター製造で生じる無脂肪乳でできたミルクジャムをゴーフル生地でサンドした菓子「バターのいとこ」の製造工場は障害者の就労支援施設を兼ね、カフェも併設する。
10年前に朝市を始めた宮本吾一(みやもとごいち)さん(41)は「新たに障害者の就労支援もできるようになったが、さらに食を通じてあらゆる人がつながることが目標」と話す。バターのいとこ社長の足立康成(あだちやすなり)さん(48)も「朝市でつながった仲間とここまで来た」と話しながらも「まだ途中です」と笑顔を見せた。