里美産生乳からチーズ 常陸太田の加工所、道の駅で販売 3種類、給食にも

茨城新聞
2020年6月2日

 常陸太田市で、里美地区の生乳を原料にオリジナルチーズを製造する加工所「ひたちおおたチーズ工房」が、稼働を開始した。当面は道の駅ひたちおおたで、カチョカヴァッロなど3種類を限定販売し、市の新たな魅力として発信。県内の飲食店や宿泊施設などへの販路拡大を図り、土産品としても販売しながら地域ブランドの創出による地域産業の活性化を目指す。
 
 チーズ製造は、6次産業化の推進による畜産業の振興や雇用の創出などが狙い。同市は2017年度から取り組み、地元酪農家やチーズ製造の専門家などで市チーズ製造・商品化プロジェクト協議会を立ち上げ、推進してきた。市地域おこし協力隊員が研修を重ねて製造を担当。製造施設には同市大中町の旧学校給食センター里美センターを加工所として改修した。里美ふるさと振興公社が運営していく。
 
 主な商品は、加熱調理に適した「カチョカヴァッロ」(200グラム、1080円税込み)▽料理への応用の広い「モッツァレラ」(100グラム、540円同)▽さけるチーズ「ストリング」(100グラム、540円同)-の3種類。
 
 同市下河合町の道の駅で販売するほか、6月中旬には中学校で、7月上旬には小学校と幼稚園の給食に提供し、食育と地産地消の推進を図る。
 
 大久保太一市長は「里美産の生乳の知名度アップ、商品化を進めたいと取り組んできた。品質の維持・向上を図り、販路拡大に努めたい」と話した。
 
 市内には9戸の酪農農家があり、6戸が里美地区で年間約2278トンの生乳を生産。チーズは、JA常陸の「里美のむヨーグルト」、「里美ジェラート」に続く市内産生乳を使用した乳製品の第3弾で、6次産業化の推進と地域ブランドの創出による地域産業の活性化が期待される。

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