父娘のこだわり大切に 【通りに いらっしゃい】御菓子司 佐竹屋(清住通り) 小川英子さん(42) 

下野新聞
2020年2月25日
親子二人三脚で和菓子作りを行っている3代目の小川さん(右)と2代目の佐藤保夫さん

 佐竹屋は1897(明治30)年、私の曽祖父佐藤竹三郎(さとうたけさぶろう)が創業しました。当時は新宿町(現在の大工町)で油売りを営んでいて、和菓子屋になったのは祖父の代から。私は3代目の和菓子職人です。

 4人きょうだいの次女で、小さい頃は店を継ぐ予定はありませんでした。幼稚園教諭として働き、結婚、出産後はケーキ屋でパートをしていました。長女が小学生になる時、お迎えが遅くなるのを心配していたら、父が「実家を手伝ってみたら」と声を掛けてくれました。仕事を覚えていくうちに、「お店を継ごう」と思ったのは自然の流れでしたね。

 定番商品はどらやきや栗蒸しようかん、あんドーナツなど。今の時季は、さくら餅や草もち、県産とちおとめを丸ごと入れたいちご大福なども並びます。

 どらやきや栗蒸しようかんなど、私の代で味を変えた商品もあります。素材や配合のバランスだけでなく、クリの風味を長持ちさせるパッケージにもこだわったところ、お客さんにも好評です。

 一方、父こだわりの大福や草もちは従来の味わいを大切にしており、2代目とはいい形で共存していますね。毎日の和菓子作りは忙しいですが、もっと勉強して新商品も作っていきたいです。

 子どもの頃、店の上に住んでいた私にとって、清住通りはとても身近な場所。近くには同級生も多くいて、店を継いでいる商店主もいます。
 【メモ】宇都宮市松原2の1の4(問)028・622・5716▽営業時間 午前10時~午後6時▽定休日 日曜、祝日(注文のみ受け付け)▽一押し商品 いちご大福▽宇都宮を一言で言うと ちょうどいい街

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