茨城空港、空のえき「そ・ら・ら」を行き来 人力車、第1日曜無料運行 大正ロマン再現

茨城新聞
2020年1月6日

小美玉市山野の地域交流拠点「空のえき そ・ら・ら」と茨城空港を行き来する人力車が5日、お目見えした。そ・ら・らを管理運営する市と同空港管理事務所、両区間の中間点に本社を置くトヨタレンタリース茨城の連携事業で、毎月第1日曜に無料運行する。関係者は「大正ロマンをほうふつさせる風物詩にしていきたい」と期待を寄せる。

人力車を走らせるのは、人力車を活用した街づくりを目指す「絵になる水戸プロジェクト」(首藤敦子代表)。昨年行った水戸市のイベントでの運行実績を、そ・ら・らの河原井忠男駅長が新聞で知り、3者の連携協力を得て首藤代表に企画を打診、実現にこぎ着けた。

運行日の毎月第1日曜日には、食と体験企画「円にち 食彩まつり」がそ・ら・らで開かれる。同プロジェクトが水戸の梅まつりで人力車を運行する3月を除き、午前10時から午後3時まで両区間約500メートルを往復する(荒天中止)。5月は3日に加え、こどもの日の5日も運行する。

人力車は、冒険家でもあり、東京・浅草で運行している阿部屋代表の阿部雅龍さんから譲り受けた1台。基本2人乗りだが、未就学児を大人の膝に乗せられれば4人も可。人力車を引く車夫は、浅草で7年間の実績があり、人気ナンバーワンにも輝いたことのある陣野巧真さん(35)ら3人が交代で務める予定。

途中、トヨタレンタリース茨城を経由し、休憩タイムもある。片道約20分。往復する間の待ち時間は、空港やそ・ら・らで見学や催しなどを楽しんでもらうことを想定している。

初日の5日、そ・ら・らで出発式が行われ、島田穣一市長、空港事務所を所管する県開発公社の今瀬肇理事長、トヨタレンタリース茨城の幡谷浩史会長らも駆け付けた。島田市長は「官民の連携で市の活性化につなげていきたい」とあいさつ。第1号の乗客となった同市の河本そのみさん、猪野雅恵さんは「快適で風が気持ち良かった。日本文化の良さをしみじみ感じた」と喜んだ。

首藤代表は「人力車は大正ロマンを象徴するレトロな乗り物。人力車で空港周辺をにぎやかにしたい」と話す。河原井駅長は「空港と連携を深める上で、これまで両区間の足が一番の課題だった。三つの点が線で結ばれた。茨城空港の門前町として粋な街づくりにつながればいい」と期待を膨らませた。

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