「罪悪感ないおやつ」人気 益子・カフェ「ましこびと」 糖・脂質抑え、胃の負担も軽め
【益子】上大羽のカフェ「ましこびと」オーナーで栄養士黒子善久(くろこよしひさ)さん(43)が、トレイルランニング日本代表選手と共同開発した「罪悪感のないおやつ」の人気が広がりつつある。糖質などを抑えたパウンドケーキで、トレランのトップ選手のほか、受験生や肥満を抑えたい人などの需要も見え始めた。
黒子さんによると、山岳コースを走るトレランなどのアスリートは厳しい体調管理が欠かせず、糖質や脂質が多い甘いお菓子を口にすると罪悪感を感じるという。
地元の雨巻山を走る「トレラン益子」の実行委員も務める黒子さんは「罪悪感のないおやつを生み出したい」と考え、トレランのつながりから、昨年11月、日本代表選手で管理栄養士でもある斎藤綾乃(さいとうあやの)さん(29)=三重県菰野(こもの)町=に助言を求めた。
2人は知恵を出し合い、生クリームやバターを使わず、糖質も一般的なものの半分に抑えたパウンドケーキを開発。地元産のマンゴー、ナッツ類などのドライフルーツを使ったもの、みそとあんこを使ったものの2種類で、斎藤さんは「ドライフルーツの食感、甘さによって食べ応えがあり、胃への負担も小さい」などと評価。他のトレラン選手にも広まった。
ましこびとで一つ税別250円で売り出すと、受験勉強する人向けに「血糖値が上がりにくく眠くなりにくい」と購入したり、子どもの肥満を気にして「我慢させ過ぎずに与えられる」と手に取ったりする人も。スポーツ以外の需要も分かった。
また黒子さんは、斎藤さんがコンディションに合わせ、レース中に取る栄養補給バーも共同開発中だ。6月にポルトガルで開かれるトレイル世界選手権で、50キロを走る斎藤さんへの「実戦投入」を目指す。
黒子さんは「益子の安全安心な食材でバックアップしたい」と話した。