鮮やか紅葉 猛暑で期待 県内シーズン入り 観光関係者に高揚感

下野新聞
2018年10月15日

 県内も紅葉シーズンを迎えた。民間気象情報会社は記録的な暑さとなった夏に十分な日照があったことなどから、今年は葉の色づきが鮮やかになると分析しており、観光関係者に期待が広がっている。一方で色づいた葉が落ちるなど、今月上旬の台風の影響を受けた場所も。名所の見頃はおおむね平年通りになる見込みだ。

 「今年の夏はたくさんの日照があったので、鮮やかな色づきが期待できる」。塩原温泉観光協会の担当者は声を弾ませる。温泉郷に近い紅葉の名所「紅の吊橋(つりばし)」や日塩有料道路(もみじライン)などはこれから本格的な見頃となる。「あとは週末の天気さえ良ければ人出は増えるはず」と期待する。

 民間気象情報会社ウェザーニューズによると、紅葉が鮮やかになるには夏場の十分な日照のほか、秋に適度な雨や日照、冷え込みが必要という。今年はいずれの条件も満たすとみられる。

 奥日光の紅葉の進み具合をホームページで発信している県日光自然博物館によると、湯ノ湖や竜頭の滝周辺はすでに見頃を迎えた。中禅寺湖畔やいろは坂の見頃は今月中旬~下旬という。葉の色づきは比較的良く、今月上旬に相次いで接近した台風の影響も「あまりない」とする。

 一方、台風に恨み節を漏らす人も。那須町観光協会によると、那須岳(茶臼岳)の標高の高い場所は今月上旬に見頃を迎え、6~8日の3連休に大勢の見物客が訪れた。しかし台風25号がもたらした強風で色づいた葉は散り、ロープウエーは運休、残念がる客が多かった。同協会の担当者は「見頃を迎えた直後に台風が来てしまった」とタイミングの悪さを指摘した。

 ただ、現在見頃となっている那須岳の中腹や、今月中旬~下旬に見頃を迎える駒止の滝や甲子道路などの葉は散っておらず、鮮やかな紅葉を楽しめるという。

 ウェザーニューズなどによると、県内平地の紅葉の見頃は平年並みか遅めとなる見込み。宇都宮の見頃は11月中旬の予想だ。