《食いこ》旬菜ダイニング ふ輪り(茨城・那珂市) 旬に合わせて「日替わり」
旬の野菜をふんだんに使った料理を味わえる「旬菜ダイニング ふ輪り」(茨城県那珂市)。野菜の約9割が那珂市産。週に1~2回、市内の農家や直売所に出向き、買い付けている。ランチはワンプレートで提供し、「日替わり」「パスタ」「ポークソテー」の3種類とシンプルだ。
取材に訪れた日の日替わりワンプレートは、メインが鶏唐揚げの南蛮ソース。副菜はグリルヤングコーン、トマトのブルスケッタ、ダイコンステーキ、紅はるかのソテー、フキのペペロン-など野菜が盛りだくさん。日によるが、毎日12種類はそろっており、一皿でたくさんの味を少しずつ楽しめるのが魅力だ。
店を切り盛りするのは、神林弘美さん(46)、馬場奈美さん(48)の2人。起業セミナーで出会い、意気投合した。野菜をおいしく食べられる店をコンセプトに、2021年10月にオープン。「農家さんから直接買うので、季節のものしか手に入らない」(神林さん)ことを強みに、野菜の旬に料理を合わせた「日替わり」をメインに据えた。
イタリア料理が中心。使用量が多いトマトは、全て綿引農園(門部)で生産される。イタリア料理店で料理人を務めていた神林さんも「うまみがある」と同園のトマトに太鼓判を押す。
パスタなどに使うトマトソースは、缶詰ではなく生のトマトで作る。トマト4キロを煮詰め、出来上がるソースは3リットル。調味料を最小限にとどめることで、トマト本来のおいしさを引き出している。
副菜のグリル野菜も評判だ。昨夏、仕入れ先の農家に薦められてヤングコーンを提供したところ、「今年も出してください」と客から要望が寄せられた。ニンジンは「砂糖を付けてるの?」と驚かれるほど甘いという。
「ふ輪り」の店名は、「柔らかい雰囲気と、人と人とのつながりである『輪』を大切にしたいという思いから」(馬場さん)。赤い屋根に白い壁、青い扉がかわいらしい店の外観や、穏やかな光が差し込む落ち着いた店内は名前の通りだ。
注文を受けてから作るため、提供に時間がかかることも。馬場さんは「ゆったりした気持ちで過ごしてもらえたら」とほほ笑んだ。
■お出かけ情報
旬菜ダイニング ふ輪り
▽那珂市堤664の7 花咲オフィス1階
▽営業時間はランチ午前11時~午後2時半ラストオーダー、ディナー(予約制)午後6~9時
▽水曜定休
▽(電)080(6987)1984