「障害者アート知って」 道の駅まえばし赤城(群馬・前橋市)のカフェに常設ギャラリーオープン
障害者アートを展示する常設のギャラリーが、今春開業した道の駅まえばし赤城(群馬県前橋市田口町)内のカフェにオープンした。障害福祉サービス事業所「麦わら屋」(同市高井町)でアート活動をする4人の作品が並び、購入することもできる。常設ギャラリーは全国でも珍しく、同事業所の小野介也理事長は「一人一人にスポットが当たる機会がなかった。障害のある人の活動を知ってもらいたい」と期待を寄せる。
漬物やスイーツなどを販売する新進物産(同市高井町)運営のカフェ「ザ・バターバーム」に開設した。春をテーマにした色彩豊かな5作品が黒い壁面に飾られ、ポップな作風が目を引く。作品と作者を紹介する文章も添えた。
ギャラリー開設に協力した群馬大名誉教授の茂木一司さんによると、常設ギャラリーは全国でも少ない。背景に、障害者アートへの理解や認知が広がらない現状があると分析する。
海外では障害者の独創的な作品が評価され、「アウトサイダーアート」として市場が確立されている一方、国内では発表の機会がほとんどない。取引があっても単価が安いなど、芸術の視点で評価される土壌が育っていない。
茂木さんは「発表の場で評価されることで作品の価値が高まり、社会の障害に対する考え方も変わっていく」と、意識の変容や支援の重要性を訴える。小野さんは「偏見や差別をアートの力で少しずつ変えていきたい」と、作品が多くの人の目に触れることを期待する。
カフェは午前10時~午後7時。作品に関する問い合わせは麦わら屋(☎027-226-1039)へ。
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