国産小麦に地元農産物「地産地消」のパン店・三河屋が人気 祖父母の元旅館を改装 群馬・高崎市
群馬県高崎市上里見町の国道406号沿いにあるパン店「三河屋」が、開店前から客が並ぶ人気店となっている。かつて旅館だった敷地内の建物を改装し、しっかりと焼き上げたハード系フランスパンや、クロワッサンといった出来たての看板商品を提供する。
前橋市出身で店主の中山隆さん(38)と妻の敦子さん(38)夫妻が3月に開業した。店名は隆さんの祖父母が営んでいた割烹(かっぽう)旅館名から取った。15年ほど前に廃業した旅館で、地元の人が「披露宴や法事で利用した」と懐かしむ場所だ。
祖父母の住まいでもあり、隆さんは子どもの頃よく遊びに訪れ、「祖父が作る和食料理がおいしく、楽しかった」と振り返る。都内の大学に通っていた頃、「いつか旅館の敷地で店を開きたい」と考えるようになった。卒業後、都内の有名店などでパンや洋菓子作りの修業を積み、専門の学校でも学んだ。
昨年5月、家族で敷地内に引っ越し、厨房(ちゅうぼう)だった建物を改装。オーブンや発酵機、ミキサー、冷蔵庫を設置した。日本政策金融公庫の新規開業資金の融資を活用した。
店のコンセプトは「地産地消」。パン生地は100%国産小麦を使い、榛名地域周辺の農作物も取り入れる。店に並ぶのは看板商品をはじめ、食パンやサンドイッチ、チョコやチーズ、クルミのパンなど約20種類。家族で来店した高崎里見小2年の藤本新君(7)は「今まで食べた中で一番おいしいクロワッサン」と話した。
今後は洋菓子販売や、早朝の開店を考えている。隆さんは「地元の食材を使い、地域に根差した店にしたい」と力を込める。営業時間は午前10時~午後5時(売り切れ次第終了)。日、月曜定休。
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