《釣り》茨城・日立沖でアマダイ パワフルな引き堪能 てんびん仕掛け釣果5匹
1月中旬、いざ初釣りと茨城県の日立久慈漁港へ向かった。新年一発目に狙うのは、近年の海水温上昇の影響か、茨城沿岸でも釣れるようになったアマダイだ。2023年はどんな魚との出合いがあるのか期待が膨らむ。
まだ明けぬ午前4時半、この日港でひときわ明るく人が集まっていたのが、お世話になった「釣友丸(若林一船長)」の乗り場。未開拓のアマダイを狙っているのはここだけで「われこそは!」と勇んで乗り込んだのは私を含め8人。早速出港して約1時間。水深80メートルのポイントに着いた。
今回はてんびん仕掛け、60号の重りを使い、ハリスは4号の2本針で2メートル。餌はホタルイカだ。
川釣り専門で、てんびん仕掛けに不慣れな私。東京湾でビシ(コマセの籠付きてんびん)を使ってアジ釣りをやったことがあるくらいだ。
まずはこの仕掛けに慣れるところからだ。船長に基本を聞くと「長いハリスがふわふわ漂って自然に誘ってくれるので、タナだけ探れば良い」とのことだった。アマダイは巣穴を掘って地中に潜っている魚。重りで海底をたたいて刺激するのも効果的だという。
開始から2時間、しかし他の7人ともどもアタリが来ない。「今日は潮が流れてないので少し船を動かします」と若林船長が微小に動かし始めると、何となく流れに仕掛けが乗ってハリスが漂っている様子。
すると隣が大きなアマダイを釣り上げた! しかも2匹連続の釣獲だ。見ればホタルイカ1匹丸ごととサバ切り身を針に刺している。私はといえばゲソのみ。
しかしそれ以後、誰もヒットせず、長い沈黙が続いた。餌を大きく見せる一尾掛けに変えようかと迷い始めたさなか、とうとう私にもヒット! 記念すべき新年1匹目は小ぶりのアマダイだった。
「このまま続けてみよう」と1匹目の再現をイメージして狙うとまたヒット。「今度はでかいぞ」。ぐんぐんとたたいて潜るファイトはタイのようにパワフル。やがて青白い魚体が見えた。アマダイだ。「やったー、大きい!」
網ですくい上げると魚体は鮮やかなピンク。丸くつるんとしたおでこはまさに「尼鯛」。その後、大小合わせて5匹を釣獲した。
うろこを取って3枚におろし、皮に軽く塩してバーナーでいぶり、氷水で締める。水気をよく拭き取り皮ごと刺し身で食べると美味。今後、好調続く寒ヒラメと兆しがでてきたタチウオも狙い目だ。(奔流倶楽部渓夢・上谷泰久)