だるまやサル 珍しい絵人気 御朱印求め女性急増 

上毛新聞
2016年9月2日

ㅤ神社や寺院を参拝した証しに授与される御朱印の人気が高まり、県内でだるまやサルの墨絵を描く特徴的な御朱印を出す神社仏閣の参拝客が急増している。御朱印を押す御朱印帳を扱う書店の売り上げも好調だ。10市町村などでつくる西上州観光連盟は誘客につなげようと、寺社を紹介するパンフレットを配布している。

ㅤ「参拝者が増えて一気に忙しくなった」と、宝徳寺(桐生市川内町)の金子英宗住職(49)。御朱印を求める参拝客は月に数人しかいなかったが、昨秋ごろから増え始め、今では平日約100人、土日は約500人に跳ね上がった。だるまや地蔵の墨絵を描き加える独自の御朱印が、ツイッターや口コミで広がり、人気に火が付いたという。
ㅤ世良田東照宮(太田市世良田町)はサルの墨絵を描く御朱印や、徳川家の家紋が入った御朱印帳が人気で、御朱印が目当ての参拝客が週末には100人近く訪れる。禰宜(ねぎ)の菊池貞寛さん(43)は、「参拝せずに御朱印だけを欲しがる人もいる」と苦笑する。
ㅤ御朱印帳を書店で購入する人も増えている。紀伊国屋書店前橋店(前橋市文京町)は昨年、文具売り場に3、4種類の御朱印帳を並べた専用コーナーを設置。売れ行きは上々という。


ㅤブームにあやかろうと、西上州観光連盟は3月に県西部の由緒ある寺社や周辺のグルメスポットを紹介するパンフレットを作製、高崎駅の観光案内所などで無料配布している。担当者は「高崎駅のパンフレットは順調にはけているようなので、これをきっかけに西部地域の観光が盛り上がれば」と期待を込める。
ㅤ御朱印は印を押すだけでなく、僧侶や神職によってご本尊の名称や日付などが墨書されることが多く、その美しさから収集の対象になっている。御朱印集めは近年、若い女性を中心にブームになっていて「御朱印ガール」という言葉も生まれた。

 

【写真】墨絵を描く世良田東照宮の御朱印