日本遺産 弘道館、来館者3割増 認定1年、知名度向上

茨城新聞
2016年5月15日

水戸市の観光スポットとして、同市三の丸1丁目の水戸藩の藩校、弘道館への関心が高まっている。昨年4月に日本遺産に認定されてから知名度が高まりつつあり、団体客や国内外からの来館者数が増加。弘道館と偕楽園をセットで巡る「日本遺産」ツアーを企画する企業も出てきた。市の担当者は「世界遺産登録への励みにしたい」と意気込み、宣伝映像を配信するなど一層のPR活動に力を入れている。

弘道館は「近世日本の教育遺産群 学ぶ心・礼節の本源」の遺産群の一つとして昨年4月に日本遺産に認定された。市は世界遺産への登録も目指している。

「日本遺産に登録されたので、せっかくだから寄った。思っていたより広くて、展示室もあって楽しい」。初めて弘道館を訪れた千葉県市川市の女性会社員(23)は笑顔で話した。

同館事務所によると2015年度の来館者数は8万506人で、14年度に比べて約3割増加。同館の担当者は「メディアへの露出が増えたことで知名度が高まっているのでは」と分析する。

弘道館や偕楽園を無料で案内する市民観光ボランティア「歴史アドバイザー水戸」の小貫正雄会長も「日本遺産と知ってやって来て、弘道館の歴史を知りたいと案内をお願いされることも多くなった」と実感している。需要の高まりを受け、小貫会長は「より多くの人を案内したい」と活動にも熱がこもる。

茨城交通は、日本遺産に登録された弘道館や偕楽園などを巡るツアーを2、3月に実施した。

路線バスと徒歩で移動し、弘道館と偕楽園を中心に周辺史跡を散策する。同ボランティアが協力し、散策中に史跡を解説し質問にも気軽に答える。同社の担当者は「地域の良い部分の再発見にもつながる。今後も企画したい」と意気込む。

関心の高まりに合わせ、市は弘道館の案内方法に工夫を凝らし、PRに力を入れている。

2月にはスマートフォンを活用した館内案内サービスを始めた。若者や海外からの観光客などにも同館の歴史に親しんでもらおうと取り入れた。日本語版と英語版が用意され、画面上で学芸員の解説動画を見ることができる。

4月下旬には弘道館を紹介するPR動画が完成。約12分の作品で、上空からの映像なども使用し、歴史的背景や役割などを解説する。同市のホームページから閲覧可能で、市内の図書館などにもDVDにして配布する予定だ。

知名度向上を受け、市の担当者は「よりPR活動に力を入れて、世界遺産への登録を目指したい」と話している。 

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