将軍の宿泊所、忠実に再現 日光社参ウオークでお披露目 古河
日光東照宮に参拝する徳川家光ら江戸幕府の歴代将軍が宿泊した古河城本丸御殿について、郷土史研究グループ「古河史楽会」のメンバーらが紙製の約350分の1立体模型を作成した。家康没後400年を記念し、東京都千代田区-栃木県日光市間の日光街道(約147キロ)を歩くイベント「日光社参ウオーク」(日本ウオーキング協会などの主催)で、27日と11月14日に古河市を通過し休憩する参加者に紹介する。
日光社参は初代将軍、家康を祭る東照宮に、歴代将軍が参拝した行事。古河市は日光街道の宿場町で、道中3カ所あった将軍の宿泊地の一つだった。古河史楽会の山田直弘会長(35)は「将軍の泊まった〝ホテル〟を模型で再現し、市民やウオーク参加者にPRしたい」と狙いを話している。
御殿は、古河城本丸内に建てられた将軍の宿泊所で、現在は渡良瀬川の河川敷となっている。木造平屋(床面積約3万3千平方メートル)で、大広間や湯殿、茶室などが備えられていた。江戸時代後期、老朽化のため取り壊されたとみられている。
模型は8代将軍吉宗のときの古河藩主、本多忠良の重臣の子孫が所有していた御殿の平面図を参照し、間取りを忠実に再現。建物の形や装飾は京都の二条城などを参考にした。建築模型工房サンモデル(結城市)が制作、全国古民家再生協会茨城第一支部が資金協力した。
模型は、11月15日までレストラン「サンローゼ」(古河市中央町3丁目)、11月17日から12月27日まで「お茶の鈴木園」(同市中央町1丁目)に展示され、無料で見ることができる
古河郷土史研究会の鷲尾政市会長(65)は「古河城下や日光街道に広く関心を持ってもらえたら」と話した。