《旬もの》色とりどり、まちを元気に 花わたひき(茨城県城里町) 生産者と客つなげる  

茨城新聞
2021年10月3日

バラ、ガーベラ、リンドウ-。赤やオレンジ、紫など色とりどりの切り花が、ガラス張りの冷蔵庫の中にずらりと並ぶ。花は品種ごとに分けられ、値札には生産者名などが書かれている。

鉢植えや花束などを販売する茨城県城里町石塚の生花店「花わたひき」。代表の綿引章夫さん(46)と妻恭子さん(46)の2人が中心となって店を回す。同店では約15年前から、生産者と客をつなげようと、品種名に加え、生産者名や生産組合名の表示を始めた。綿引さんは「“顔の見える関係”にすることで、生産者には責任感と向上心を持ち続けてもらい、お客さんには花を大切に育てている生産者の気持ちをくんでもらいたい」と語る。

同店は、定番の花や品種に加え、長野県のバラ園でのみ栽培されている希少なバラを入荷するなど、珍しいものや最新の品種も店頭に並べる。綿引さんは「お客さんのニーズに合わせつつも、はやりや最新のものも知ってもらいたい」とバラエティーに富んだ品ぞろえを心掛ける。

コロナ禍の影響で、冠婚葬祭や発表会など、生花を使うイベントが激減。フラワー業界は厳しい局面が続くが、綿引さんによると、日常に彩りを求めて花を買いに訪れる人は増えているという。「わざわざ足を運んでくれたり、通り掛かりで寄ってくれたりとありがたい。花を見て、少しでも安らいだ気持ちになってもらえたら」と話す。

この時期お勧めなのが、夏から秋にかけて咲くリンドウやトルコギキョウ。トルコギキョウは年間通じて出回っているが、本来は夏や秋の始めにかけて咲くのだという。「青や紫など、落ち着いた色合いも秋のイメージに合う」と綿引さん。同店では10月以降、赤い実を付けるツルウメモドキや紅葉の枝など、秋らしい品が入荷される予定だ。

綿引さんはフラワーデザインのコンテストで、80人中9人のみ選ばれる南関東ブロックの代表を務めたこともある腕前の持ち主。この経験を生かし、アレンジメントでは、シーン別や飾る場所に応じて、使う花やデザインなどを客に提案することも多い。

手際よく花束を作る綿引章夫さん、恭子さん夫妻

 

コンテストでは、メインの花以外にも葉や枝を生かした個性的な作品を出していたが、店内は至ってシンプル。「子どもからお年寄りまで、誰もが気軽に来店できるような雰囲気にした」と恭子さん。気兼ねなく入れる開放的な店は、花でまちの人たちを元気にしている。

■メモ
花わたひき
▽住所は城里町石塚1377
▽(電)029(288)2605
▽定休は火曜
▽営業時間は午前8時半~午後6時
▽https://www.f-watahiki.com