詩に登場の生物紹介 「さくたろうのいきものずかん」展 前橋文学館

上毛新聞
2021年6月21日

 前橋市出身の詩人、萩原朔太郎の詩と、詩に登場する生き物を併せて紹介する企画展「さくたろうのいきものずかん 朔太郎の世界を闊歩(かっぽ)する生物たち」が19日、同市千代田町の前橋文学館(萩原朔美館長)で始まった。9月26日まで。

 朔太郎の詩に出てくる生き物は計約100種とされる。このうち一部を作品と共に紹介している。作品への登場回数が1位のネコ、2位のイヌは、代表作の「月に吠える」や「青猫」でも登場。扱われた詩の一節を本の見開きを模した展示で大きく伝える。クラゲやタコなど軟体動物の飾りや、生き物の名前がランダムに流れる映像など視覚的に楽しめる工夫を多く用意している。

 「おえかきコーナー」や「どくしょコーナー」も設置し、子どもが飽きてしまっても遊べるスペースが充実。朔太郎研究会の有識者による詩や生き物に関して紹介するパネルもあり、子どもから大人まで楽しめる内容となっている。

 企画担当者の若林まりこ学芸員は「子ども向けの企画展は初めて。文学館に親しみを感じてほしい」と話した。萩原館長は「楽しい思い出を作って、本に触れるきっかけになればいい」と期待した。

 午前9時~午後5時(入館は同4時半まで)。水曜休館。問い合わせは同館(027-235-8011)へ。
(吉越琴野)